4:3の画面比率って、やっぱりレトロゲームの王道ですよね。数多くのゲームにしっくり馴染むこの比率で、PS2のゲームまで遊べたら……。そんなハンドヘルドが欲しいと、ずっと思っていました。
もちろん、16:9の画面を搭載した高性能なハンドヘルドは、すでに持っています。ただ、4:3のゲームを画面いっぱいに表示すると映像が横に引き伸ばされ、元の比率を保つと左右に余白ができてしまう。
そんな、これまでのハンドヘルドに感じていた、ちょっと惜しい!を解消してくれたのが、今回紹介するRetroid Pocket Novaです。
レトロゲームにぴったりの4:3画面で、遊びたかったPS2のゲームを楽しめる。こういう一台が欲しかった!と思わせてくれる、私にとって理想のエミュレータ機でした。間違いなく、今年購入したハンドヘルドのなかでも最高クラスの満足度です。
今回は、そんなRetroid Pocket Novaの魅力を、実際に使って感じたことを交えながら詳しくレビューしていきます。
Retroid Pocket Nova の紹介
Retroid Pocket Novaは、Retroid社から発売されているAndroid OSが搭載されたハンドヘルドゲーム機です。
4.5インチの画面サイズで、4:3の画面比率の構成になっているため、FCからPS2までのコンシューマーテレビゲーム機を手の平で動かすことができる最高のエミュレータ機です。
しかも有機ELのディスプレイを使用しているため発色もよく、本当に遊んでいて幸せになれます。画面の発色って結構ゲームの没入に重要で、鮮やかな画面で当時プレイしたゲームが動くことへの感動が止まりません。



64のポケモンスタジアム金銀、GCのスーパーマリオサンシャイン、PS2のラチェット&クランクが全部動作しています。本当にありがとう。無事に、お布団は睡眠をする場所からレトロゲームプレイ施設へと変わりました。
本体スペック
| SoC | Qualcomm QCS8550 |
| CPU(8コア) | Kryo Prime 3.2GHz :1基 Kryo Gold 2.8GHz :4基 Kryo Silver 2.0GHz :3基 |
| GPU | Adreno 740 @680MHz |
| OS | Android 13 |
| メモリ(容量選択) | 8GB LPDDR5x 12GB LPDDR5x |
| 内蔵ストレージ | 128GB UFS 3.1 |
| 外部ストレージ | microSDカード対応 |
| ディスプレイ | 4.5インチ AMOLED 960p @120Hz |
| 画面アスペクト比 | 4:3 |
| 画面解像度 | 1280 × 960 |
| ピーク輝度 | 500nits |
| バッテリー容量 | 5000mAh |
| Wi-Fi | Wi-Fi 7 |
| Bluetooth | Bluetooth 5.3 |
| USB端子 | USB 3.1 Type-C |
| イヤホン端子 | 3.5mmオーディオジャック。 |
| 本体サイズ (幅×高さ×厚さ) | 169.9mm × 84.1mm × 15.6mm |
| 重量 | 255g |
競合との比較
| 機種 | SoC | ディスプレイサイズ | 公式ストア価格 |
|---|---|---|---|
| Retroid Pocket Nova | QCS8550 | 4.5インチ | 239ドル ~ |
| ANBERNIC RG476H | UNISOC T820 | 4.7インチ | 160ドル ~ |
| ANBERNIC RG477M | Dimensity 8300 | 4.7インチ | 265ドル ~ |
| AYANEO Pocket S Mini | Snapdragon G3x Gen 2 | 4.2インチ | 319ドル ~ |


外観&触ってみた感想
本体の外観やサイズ感と、実際に触ってみて感じたことを記載していきます。
外観&サイズ感
いつもは黒系のカラーを選びがちですが、今回はクリスタルクリアを選びました。黒の落ち着いた雰囲気も好きなのですが、シェル越しに内部構造が透けて見える、クリアカラーならではの見た目に惹かれてポチりました。

Retroidが展開する透明カラーは、ウォーターメロンやアイスブルーも魅力的で、どれにするか迷いました。ただ、今回は鮮やかな色味よりも、内部構造そのものが引き立つガジェット感を重視。色の主張は控えめながら、機械らしさをしっかり楽しめるところが、クリアを選んだ決め手です。
本体を手に取って、まず驚いたのがその軽さです。思わず軽っ!と声が出てしまうほどで、RG477Mとの重量感の違いははっきりと感じられます。金属シェルのRG477Mに対してNovaはプラスチック製なので、素材の違いを考えれば納得なのですが、それでも実際に持ったときの軽さは印象的でした。
本体重量が255gなので、ケースを付けたスマートフォンだと思ってもらえれば、その軽さが想像しやすいかと思います。スマホと違って両手で持って遊ぶので本当に軽すぎてびっくりしました。
軽さに加えて、持ちやすさも好印象です。背面に大きく張り出したグリップはありませんが、筐体のサイズ感がちょうどよく、手にすっと収まります。サイズ感を例えるなら、Nintendo Switch Liteをさらにコンパクトにしたような印象。この表現が、実際に手に持った感覚に一番しっくりきます。
シェルの表面はさらさらとしていて、手触りも良好です。プラスチック製ならではの軽さがありながら、安っぽさは感じません。シェルの合わせ目に不自然な隙間やズレはなく、ボタンのきしみや押しにくさも感じませんでした。
見た目だけでなく、手触りや細部の仕上げまでしっかりと作り込まれていて、このあたりはさすがRetroidといったところです。
画面の映り
画面の発色はとてもきれいで、特に明るい色が鮮やかに映ります。有機ELだからなのか、色のメリハリがはっきりしていて、レトロゲームも思い出補正なしできれいだと感じられるほどです。


液晶ディスプレイを搭載したRG477Mと見比べると、発色の違いがよく分かります。Retroid Pocket Novaの色鮮やかな映りは、実際に使っていて満足度の高いポイントでした。画面の明るさにも不満はなく、普段遊ぶ環境では、明るい場所でも暗い場所でも見やすく、快適に遊べています。
唯一、見た目で少し気になったのは、上下でベゼルの幅が異なることです。上側は細く、下側は太くなっているため、少し離れて本体全体を見ると、上下のバランスに違和感があります。
とはいえ、これは本当に些細な点です。実際にゲームを遊んでいるときはまったく気にならず、画面の映りそのものには非常に満足しています。
ボタンやスピーカー周り


本体正面は、右側にABXYボタン、左側に十字キーを配置し、左右のアナログスティックは下側で対称になるレイアウトです。ABXYボタンはラバータイプ、十字キーはドーム型になっていて、どちらも適度な反発があり押しやすいです。
画面の四隅付近には右上にSTART、左上にSELECT、右下にRETURN、左下にHOMEボタンが配置されています。このうち画面下側にあるBACKとHOMEは、通常のゲームポジションで握ったままだと少し指を伸ばす必要があり、やや押しにくい位置にあります。頻繁に操作するボタンではないので大きな問題ではありませんが、使っていて少し気になったポイントです。
アナログスティックは左右とも筐体下側に配置されています。スティックの倒れ角度はNintendo SwitchやSwitch 2と比べても大きく、操作もかなり軽めに感じられました。細かな入力がしやすい一方、ある程度抵抗感のあるスティックが好みの人には軽すぎると感じるかもしれません。このあたりは好みが分かれそうです。個人的にはSwitch系の方が感触としては好みですが、プレイには支障がありませんでした。
スピーカーは本体前面の左右下部に配置されています。実際に握っても手のひらでスピーカーを完全には塞ぎにくいため、音がこもらず前方向にしっかり聞こえるのは好印象でした。
背面中央には冷却ファン用の大きな吸気口が設けられています。高負荷時にはここから吸気して内部を冷却する構造になっているため、プレイ中に背面を完全に塞がないようにしたいところです。


本体上部にはL1/R1、L2/R2、M1/M2ボタンが配置され、中央付近には電源ボタン、音量ボタン、冷却ファンの排気口があります。
L2/R2はアナログ入力に対応したトリガー式です。ここは個人的には少し残念なポイントで、私はトリガー式よりもNintendo Switch系のようなボタン式の方が好みです。押し込み量を使うゲームではアナログトリガーにメリットがありますが、レトロゲーム中心で遊ぶなら、より素早く押せるボタン式でもよかったと感じました。
音量ボタンは本体上部のやや中央寄りに配置されています。そのため、ゲームを握った状態のまま操作するには少し指を伸ばす必要があります。ただ、左右にはM1/M2ボタンが並んでいるため、配置スペースを考えると、この位置はまぁ仕方ない部分かもしれません。
本体下部にはmicroSDカードスロット、3.5mmイヤホンジャック、USB Type-C端子を搭載。microSDカードによるストレージ拡張にも対応しています。
遊んでみた感想
実際にゲームで遊んでみた感想を書いていきます。結論だけ言うと、非常に満足度が高いゲーム体験が得られました。もうこれは4:3のゲームを遊ぶなら決定版のハンドヘルドって言いきってもいいんじゃないかな。
4:3のゲームについて
4:3のゲームを遊んだ感想をひとことで言うなら、最高です。特に、昔テレビにつないで遊んでいたGCやPS2のゲームを、見慣れた画面比率のまま携帯して遊べることには、本当に感動しました。


もちろん、手持ちのAYANEO Pocket SやAYN Odin2などでも、PS2のゲーム自体はすでに遊べていました。ただ、16:9の画面で4:3の比率を保って表示すると、どうしても左右に余白ができてしまいます。遊ぶうえで支障があるわけではないものの、この余白がなければもっといいのにと、ずっと感じていたんですよね。
Retroid Pocket Novaでは、4:3のゲーム画面がディスプレイにすっきりと収まります。映像を横に引き伸ばす必要もなく、左右の大きな余白もない。単にGCやPS2のゲームが動くことではなく、遊びたかった画面比率で、気持ちよく楽しめること。 ここが、これまで使ってきたハンドヘルドとの大きな違いでした。
実際に遊んでいると、懐かしいなぁという気持ちと、これが布団の中で遊べるのかという驚きが同時に押し寄せてきます。昔はテレビの前に座って遊んでいたゲームが、今は手元の小さな一台で動いている。懐かしさと新鮮さが入り混じって、いい意味で脳がやられます。
ソファーでくつろぎながら遊んだり、布団の中で少しだけ進めたり。ついもう少しだけと遊び続けてしまって、なかなか動けなくなります。一方で、用事ができたら気軽に中断できるので、まとまった時間を確保しなくても遊びやすいところも気に入っています。
昔のテレビゲームを、当時の画面比率のまま、今の生活に合った形で楽しめる。Retroid Pocket Novaは、昔のテレビゲームを携帯ゲームにするために、まさに欲しかった一台です。
4:3以外のゲームについて
4:3の画面比率じゃないゲームに関して、遊んでみた感想を書いていきます。結論、すべてのゲームでRetroid Pocket Novaをオススメできるわけではありません。
スマホゲームは正直16:9で遊んだほうが捗る


原神や崩壊:スターレイルのような、16:9を前提としたスマートフォンゲームも動作しますが、4.5インチの4:3ディスプレイでは画面サイズの小ささが気になります。文字やUIも小さくなりやすく、長時間遊ぶなら16:9かつ、もう少し大きな画面を搭載したハンドヘルドの方が快適です。
GB/GBAは普通に遊べる


GBやGBC、またはGBAに関しては、4.5インチの画面サイズなので普通に遊べます。画像のようにGB系をプレイした際には左右に、GBA系をプレイした際には上下に多少の余白ができてしまいますが、プレイ時の没入感には支障なく遊ぶことができました。
購入をオススメできる層
上記までの触ってみた・遊んでみた感覚から、購入をオススメできる層は下記のような方だと感じました。
- 4:3表示のGCやPS2世代までのゲームを携帯機で遊びたい人
- 16:9のハイエンドハンドヘルドを所有しているが、4:3を遊んだ時に余白が気になる人
- スマホ程度の軽さでレトロゲームをプレイしたい人
逆に原神のようなゲームをメインでプレイするにはあまり向いていないので、そういった方にはRetroid Pocket6やAYN Odin3やAYANEO Pocket S2のような16:9の画面を搭載したハンドヘルドの方があっていると思います。
まとめ
今年に入ってからのベストバイのハンドヘルドはAYANEO Pocket Vertで、最近までは本当にこれを一番使ってゲームを遊んでいました。特にGBやGBCを遊ぶことが多かったのですが、Retroid Pocket Novaが届いてからは一変。今度はPS2のゲームをメインで遊ぶようになりました。
実際に使ってみて、Retroid Pocket Novaは4:3画面比率のハンドヘルドとして、かなり完成形に近い1台だと感じています。4.5インチの有機ELディスプレイ、PS2やGCまで狙える性能、軽くて持ちやすい筐体。そして何より、昔テレビで遊んでいた4:3のゲームを、そのままの画面比率で手元に持ってこられること。この組み合わせが本当に素晴らしいです。
私の環境では、正方形に近いアスペクト比のゲームはAYANEO Pocket Vert、4:3はRetroid Pocket Nova、16:9はAYANEO Pocket S2と、用途ごとにかなり理想的な環境が整いました。これまでずっと埋まっていなかった4:3ハンドヘルドという最後のピースが、ようやく埋まったような感覚です。購入してからの満足度は非常に高く、最近は気がつけばRetroid Pocket Novaばかり手に取っています。
そして、ここまで来ると次に気になってくるのがGBAの3:2。今度はGBAを遊ぶための最適解を探す旅に出ようと思います。
正解をありがとう、Retroid Pocket Nova。


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