学生時代から社会人なりたての頃まで、少しだけプログラミングをかじっていた時期の自分は、完全に「HHKB最強!!」「HHKBしか勝たん!!」「お前もHHKBにしてやろうか!?」と騒いでいたHHKB過激派でした。
ただ、その後ほとんどコードを書くことがなくなり、ノートPCを外に持ち出す機会も激減してくると、ふと冷静になる瞬間が来たんですよね。
「あれ、意外とHHKBにこだわる必要ってなくない?」
と気づいてしまってからは、夜しか眠れなくなり(※ちゃんと寝てる)、気づいた頃には「おっ、新作のREALFORCE R4出てるじゃん」となって、そのままポチっていました。
というわけで今回は、HHKB過激派だった自分が65%サイズキーボードから、REALFORCE R4のテンキーレスサイズに乗り換えたみた感想・レビュー記事になります。

REALFORCE R4とは
REALFORCE R4は東プレから出ているREALFORCEシリーズの最新キーボードです。HHKBと同様にキースイッチに静電容量無接点方式を採用しており、滑らかな押し心地と長期使用にも耐えうる耐久性を兼ね備えています。
前モデルのREALFORCE R3と比較した結果が以下の表になります。超絶改良!とまでではありませんが、APC性能の性能向上や、近接センサー機能&マウス機能といった新要素が追加されており、より多機能かつ精密なキー入力が可能になっています。
| REALFORCE R4(R4HC11) | REALFORCE R3(R3HC61) | |
| Bluetooth機能 | Bluetooth5.0 接続可能台数(最大4) | Bluetooth5.0 接続可能台数(最大4) |
| キースイッチ方式 | 静電容量無接点方式 | 静電容量無接点方式 |
| サイズ(mm) | 146.5 x 366 x 39 | 163 x 379 x 39 |
| 重量(Kg) | 1.1 | 1.3 |
| キー荷重 | 30g/45g/可変式 | 30g/45g/可変式 |
| APC機能 | あり(22段階) | あり(4段階) |
| 近接センサー | あり | なし |
| マウス機能 | あり | なし |
REALFORCE R4を選んでみた理由
お前がHHKB教から足を洗ったことは分かったんだけど、なんでREALFORCEにしたん?テンキーレスのキーボードなんて世の中に腐るほどあるじゃん。
と思ったそこのあなた。まぁそう慌てないでください。
私が今回新たにキーボードを新調するうえで必ず必要だと思った条件は以下です。
- テンキーレスサイズであること
- 日本語入力配列であること
- Bluetooth接続が可能なこと
- HHKBと同等以上の押し心地・打鍵感があること
- 打鍵音がうるさすぎないこと
- ストロークが軽すぎないこと
上記の条件を気にしながらいろいろとキーボードを探してみると、候補として挙がってきたのが、
「FILCO Majestouch Convertible 3 TKL JIS」

「Keychron K8 Pro JIS」

「Keychron K8 HE」

「Logicool G915 X LIGHTSPEED TKL」

上記の4つあたりが最初候補にあがりました。
特にこの中で最後まで迷ったのが、Keychron K8 HEでした。Youtubeで打鍵音を聞いてHHKBくらい心地よさそうだなと感じたのがこのK8 HEでしたが、フレームが木目調しか選べないのが残念でした。見た目はめちゃオシャレなのですが、なんだかんだ長く使用していくという目線で考えたときに、統一色の方が飽きがこなさそうでREALFORCE R4に軍配が上がりました。
その他のキーボードに関しても決して悪くないのですが、結局メカニカルキーのカチャカチャ音よりも、REALFORCEの静穏なタイプ音の方が好みでしたので、REALFORCE R4に軍配が上がった次第です。
あと、LogicoolのG915は本当にスタイリッシュな見た目でかっこいいのですが、やや薄すぎて手の置き位置に困りそうだなと思って今回は候補から外れました。
この辺りは本当に好みでどうとでも評価が変わってくるかと思うのであくまでも私の個人的な感想程度に思ってください。
こいつ、音と見た目の話しかしてないじゃん。でもよく考えてみると、キーボードに打鍵音と見た目の話以外に話すことあるか?ないな。じゃあヨシ!!(適当)
HHKB Professional HYBRID TypeSをやめた理由
また、HHKBが気に入らなくなったわけではまったくなくて、むしろ今でも手放すのは惜しい存在です。なので売却はせず、一旦はベンチメンバーとして待機してもらうつもりでいます。
メイン使用から外れた理由は大きく分けて以下の4つでした。
- コーディングをほとんどしなくなったこと
- キー配列を英字配列から日本語配列へ変えたくなったこと
- 外出先にPC・キーボードを持ち運ぶ機会が減ったこと
- HHKB独特キーの操作がしんどくなってきたこと
もともとコードを書くときは英字配列キーボードの方がしっくりきていて、その流れでHHKBも英字配列モデルを選んでいました。ところが就職してからは、業務でコードを書く機会はほぼゼロになり、3DモデリングソフトやOffice系ソフトを触る時間がメインに。それに加えて、会社で使えるキーボードは日本語配列のみなので、
「今どっちのキー配列でタイプしてるんだっけ?」
と、常に頭の片隅で配列を意識し続ける羽目になりました。@ や「」の入力位置が配列ごとに違うせいで、「あぁ、こっちじゃないんだった」と打ち直すことが増え、地味に脳のリソースをキーマップ切り替えに持っていかれていた感覚があります。慣れてしまえば何とかなるレベルではあるものの、「これを毎日延々と続けるのか」と考えると、じわじわ効いてきます。

この問題だけで言えば、日本語配列のHHKBを新たに購入すれば解決します。ただ、外出先にPCを持ち運ぶことが減り、自宅据え置きで使う時間がほとんどになったことで、
「コーディングもしないのに、HHKBみたいな65%サイズにこだわる必要ある?」
という疑問も出てきました。持ち運び前提ならHHKBのようなコンパクトさは正義ですが、据え置き前提なら、もう少しキー数が多くて配列も標準的なキーボードの方が、総合的にはラクじゃね?と考えるようになっていったわけです。
さらに、正直に言うと Fn+矢印キーでカーソル操作をするのがしんどくなってきた というのも理由の一つです。昔はそこまで気にならなかったものの、長時間の事務作業や資料作成が増えると、カーソル移動のたびにFnキーを押すのが徐々にストレスになってきました。「もう矢印キーは独立していてほしい」という欲が出てきた瞬間から、HHKBには少し窮屈さを感じるようになりました。

加えて、通常のキーボードでいうCapsLockキーの位置にControlキーが来ている配列も、もともとは大きな魅力でした。アンチCapsLock民の自分にとっては理想的な配置だったのですが、会社でタイピングしていると「Controlを押したつもりでCapsLockを押してしまう」事故がどうしても発生します。キー割り当てを変えれば解決はするものの、仕事の都合上、複数のPCにリモート接続して操作する機会が多く、その都度キー設定をいじるのも現実的ではありません。
こうした小さなストレスが積み重なってきた結果、「自分の今の使い方には、HHKBよりも標準配列かつ据え置き前提のキーボードの方が合うのでは」と考えるようになり、自宅でのメインキーボードの座をREALFORCE R4に譲ることにしました。
うーん、自分のこだわりが労働によって矯正されている気がする・・・やはり労働は悪。そしてCapsLockは罪。
REALFORCE R4とHHKB Professional TypeSとの打鍵音比較
REALFORCE R4
HHKB Professional HYBRID Type-S
実際にタイピングしていると結構音違うのですが、録音だとそんなに違うか!?!?っていうくらい微妙にしか違わないですね・・・
指先がキーの上をスライドする際の音が、HHKBよりもREALFORCEの方が静かなので、その点は本当に気にっています。
使用してみた感想
購入してから1か月近く使ってみたので、実際に使用してみて感じたメリット・デメリットを記載していこうと思います。
英字キーと日本語キーの脳内補完がなくなったことや、キー入力の操作感覚が統一されたことはもちろん嬉しかったのですが、あまりにも個人的な理由すぎるのでメリットからは除外します。
REALFORCE R4のメリット
- 入力音が最高に気持ち良い
- キーボード全体が広がったことで入力が誤入力しにくくなった
- 45gのキー入力が軽すぎず押した感覚があってよい
まず入力したときの打鍵音ですが、これは個人的にはHHKBよりも好きです。HHKBは入力時に指を次のキーへと移動させる際に、キーに触れるとカチャカチャとしたやや高めの音が鳴るのですが、REALFORCE R4ではそれがかなり控えめの音になっていて個人的にはこっちの方が静音感が高いと感じられて好みでした。
また、テンキーレスサイズになったことで、65%サイズよりも手の配置が広めにとれることで誤入力が減った感じがありました。コンパクトに拘らなくて良くなったことで広々と使用できてます。
今回私は45gのキー荷重のタイプを購入しましたが、しっかりとした打鍵感があってかなり好みでした。逆に30gは使ったことがなかったので、これ以上キー荷重が軽くなると逆に誤操作や誤入力が増えちゃうのではないか?と思ってしまうくらいには重さを感じていません。長時間使用していても特に指や腕が疲れても来ないので、全然問題ありませんでした。
REALFORCE R4のデメリット
- 単4電池での駆動に変わったこと
- Bluetoothの接続範囲がHHKBに比べて狭いこと
- キーの印字の視認性が若干悪いこと
残念と感じたのは、駆動が単4電池3本だったことですね。HHKBもREALFORCEのR3も単3電池なんだから単3電池に統一してほしかったです。家にそもそも単4の電池が少ないってのもあって、今後REALFORCE R4をメイン機にすると考えると単4電池を常備しておく必要があるので、そういったことも踏まえると単3がよかったなぁと思いました。地味に3本っていう本数も微妙でした。2本かどうせなら4本とかにして偶数本にしてもらいたかったです。
また、これは私の環境だけかもしれませんが、明らかにHHKBのBluetooth範囲に比べてREALFORCE R4の範囲の方が狭いです。もしかしたら電波干渉に弱くてすぐに切れてしまうだけなのかもしれないですが、デスクとPCの距離が離れすぎるとすぐに接続が切れます。なので位置に若干気を遣う必要があるのが残念でした。これはデスクやPCの個人的な環境によって変わってくるかと思いますが、文章の入力中に接続が切れたときのストレスは大きかったです。
あとキーに刻印されている印字の視認性が悪く、遠目からだと無刻印のように見えてしまいます。別にどこに何のキーがあるかわからないわけではないので、Bluetoothが切れることに比べたらストレスレベルは低いのですが、もう少し刻印がはっきり見えてもよかったのでは?と思います。
レビューまとめ
結論としてはとてもいい買い物でした。これでもう「一生キーボードを買うことはないだろう」っていうのはきっと言いすぎなんでしょうけど、そう思えるくらいには使ってて満足しています。間違いなく最高の文字入力楽器です。
残念だったのが、単4電池駆動だったことと、無線接続の接続可能範囲がHHKBに比べて狭いという点です。後者については今後のデバイスのアップデート等で改善されると嬉しいですね。
HHKBこそ至高であり、HHKB以外はキーボードの形をした何かと言っていた思想強めな時期もそれはそれで楽しかったのですが、世の中には素晴らしいキーボードが他にも沢山あるんだなってことに気づかされましたので、今後の人生でも本当にそれが一番なのか?という問いを持ち続けて日々ガジェットに散財していこうと思った次第です。


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