最新のハイエンドなゲーム機が発売されても、昔のドット絵のゲームに結局戻ってしまうことってありませんか?特に初代ゲームボーイのような「縦型の小型ハード」は、重厚感や無骨さもありながら、持った時の収まりも良く、ちょっとした隙間時間に遊ぶのに最高なんですよね。
懐かしのゲームで遊びたいだけなら、最近はNintendo Switch Onlineなどの選択肢があり、現代においてそのハードルは非常に下がっています。 しかし、私含めて「子供時代の強烈なゲーム体験」に囚われている人間は、それだけでは満足できません。「ンギギィ、カセットを挿して実機で遊びだい!!」というこどおじ欲求は消せないのです。
では、令和の今、実機で遊ぶなら結局どの環境がベストなのか? 夜な夜なそんなことを考えてしまう皆様のために、今回は各シチュエーションに応じた「実機環境の最適解」を本気で考察していこうと思います。
個人の主観・主張・思想を多分に含むので注意して読んでね!!!!
前提条件
本題に入る前に少しだけ私の偏った思想やゲーム宗派についてお話させてください。偏愛と独断が無い記事は生成AIでも書けますので。
そもそもGB(ゲームボーイ)/GBC(ゲームボーイカラー)は平成初期のゲームということもあり、令和の現代でプレイするとさすがに画面が暗すぎて、プレイ意欲が半減します。カスタムせずに実機ありのままでプレイするスタイルを否定するつもりはありませんが、個人的にはあり得ない選択肢になります。画面が暗いのは悪で、画面バキバキに明るいのこそ正義です。
また、最近の中華エミュ機と呼ばれるエミュレーター機にはデザインや性能面含めて素晴らしいハードが多数存在していますが、それらを今回の対象としてしまうと、最適なゲームボーイプレイ環境として検討する要素が増えてしまい、記事の内容が発散して収拾がつかなくなります。
そのためここではあくまでも実機とFPGA機といった「本体にカートリッジを差し込むタイプ」を前提とし、下記の3点を条件として話を進めます。
- GB/GBCが動作する携帯型ハードで持ち運び可能なこと
- IPS液晶相当の液晶が実装またはカスタマイズされていること
- エミュレーターの使用を除く
以上、3点を念頭に置いて以降の記事内容を参考にしてもらえると幸いです。
評価候補一覧
前提条件を決めたうえで、今回候補になる実機ゲーム機と、FPGA互換機の一覧はこちら。それぞれの特徴と説明を簡単にしておきます。
実機候補一覧
GB/GBP+IPS液晶カスタム

GB/GBPのカスタムはGBCに比べるとやや安価には作れますが、当然ながら「ゲームボーイカラー専用ソフト」は動作しません。 チップチューン等の音楽制作において初代GB特有のしっかりとした低音サウンドを求めるような特殊な用途を除けば、プレイできるタイトルの多さからGBCを選ぶのが無難です。でも初代GBのごつくて重い感じは本当に好き。
※ちなみに、GBPの筐体にGBCの機能を詰め込む高度な改造(通称:MGBCやPoCoなど)もありますが、加工の難易度が高く一般的ではないため、ここでは「変態の領域」として割愛し、GBCベースのカスタムを推奨します。
GBC+IPS液晶カスタム

GB/GBCのソフトを実機で遊ぶことにこだわるなら、ほぼこれが「最適解」と言っていいでしょう。 IPS液晶への換装によって、画面サイズと明るさが激的に向上します。かつてのおもちゃが、外出時に持ち出したくなるような「オシャレなレトロガジェット」へと生まれ変わります。
IPS液晶への換装難易度もそこまで高くなく、液晶+シェル・ボタン交換までやっても、パーツ代15,000円程度で制作可能です。 日本では「ヒミツノバ」さんのような有名店に依頼する手もありますが、コストを抑えたいならYouTubeを見ながらのDIYを強くオススメします。
さらに、画像のようにボタンをLEDで光らせたり、アンプ追加やプロサウンド化で音質を強化したりと、こだわり出すと止まらない「沼」が待っています。自分だけの一台を作り上げる工程も含めて、最高に楽しいですよ。わかったらお前も早く堕ちろ!!!
GBA/GBA SP+IPS液晶カスタム


私自身、GBAには人生を狂わされるほど愛着があるのですが……GB/GBC用として考えると「カセットが本体からはみ出る」という致命的な弱点があります。
GBAの完成されたデザインが崩れるだけでなく、携帯時のバランスも悪くなるため、この一点だけで個人的にはNG判定です。 また、ベースとなる実機の価格やパーツ代もGBCより高価になりがちです。
またそれだけではなく、「画面サイズもGB/GBCだと小さくなります。」もうお終いです、擁護できません。俺はGBAをこんなにも愛しているのに・・・心が痛くなりますね。
結論、あくまで「GB/GBCを最高に楽しむ」という今回の趣旨からすると、今回は断腸の思いで候補の上位からは外れるかと思います。
互換機候補一覧
Analogue Pocket

あー……うん。えーっとですね。 たぶん、これが一番良いです。結論出ちゃいました。
「ヤダ!!俺はどうしても任天堂ロゴの入った実機じゃないと死んでしまう病なんだ!」という強いこだわりが無い方は、もうこれを買っておけばOKです。 ブログのタイトルを考えた時点で薄々感づいてはいたんですが、Analogue Pocketが強すぎました。勝てない。ハイ、解散!
まず、デフォルトで画面解像度がGBCの10倍。さらにリチウムバッテリー搭載でUSB-C充電が可能。極めつけは「スリープ機能」があり、いつでも中断・再開ができます(社会人には神機能)。 そのくせ、実機との赤外線通信や通信ケーブルまで使えるときたもんだから、もう「これでいいじゃん」以外の言葉が見つかりません。
さらに、専用Dockでモニター出力もできるし、Nanoloop(音楽制作ソフト)まで標準搭載。 いいか、迷うなこれが答えだ。さあ、今すぐ買ってこい!!
……と言いたいところなんですが、公式サイトでは常に売り切れ状態です。 そりゃみんな買いますよね、だって正解なんだもん。この「入手難易度」さえクリアできれば、全人類が幸せなGBライフに到達できる約束されたハードです。さぁ、迷える子羊たちよ、今日もアナポケの在庫の復活を祈りましょう。
Chromatic

Chromaticに関しては所持していないので、あまり詳しく語れません。だって高いんだもん。正直デザインがポップすぎるので、もう少し落ち着いたデザインだったら即ポチってたかもしれません。でも、メタルシェルってだけでかっこいいのでいまだRetroModのHPのかごの中にブラックフライデーで買うか悩んだChromaticが入っています。まだ抑えろ・・・我慢だ。
すでに述べたとおりですが、めっちゃ高いです。液晶画面のガラスの種類で値段が分かれるのですが、ゴリラガラス版が2025年現在のレートで約35000円、それの上位クラス版のサファイアガラスになると、約53000円とかなりの高額商品になってしまいます。
バッテリーが付属せず別途購入する必要があるのも正直微妙なところでした。Analogue Pocketは標準でバッテリーなのに・・・。購入時に付属するのがテトリスのソフトじゃなくて、バッテリーの方を付属してほしかったですね。別に電池でも遊べるのですが、せっかくならバッテリーにしたいじゃないですか。
でも、公式曰くDockなしで直接ケーブルから画面出力ができるみたいですね、その点はめっちゃいいなと思いました。あと起動時間も19時間とかなり長め。アナポケって体感5~6時間くらいで充電していた感覚なので、本当ならめっちゃ良いですね!

私があーだこーだ色々いうよりも、100億万倍くらい吉天堂さんのこの記事とこの動画が本当にわかりやすいです。ですが、物欲がギャンギャンに刺激されますのでご注意ください。あと私もいつかChromaticを買いたいので、完売は勘弁してください。マジで。
FPGBC


続いては「FPGBC」。GBカスタム界隈ではお馴染み、FunnyPlaying社が送り出したFPGA互換機です。
ぶっちゃけ「Analogue Pocketの代わりになるか?」と聞かれたら、個人的には答えはNO寄りです。でも、「普通にGB/GBCを遊び倒す」という点においては、ほぼ完璧と言って差し支えないハードです。
まず画面がデカい! 画像の通り、一般的なGBCのIPSカスタムよりもさらに一回り大きいので、大画面でド迫力のプレイを楽しみたいなら有力な選択肢になります。 ただ最大サイズ表示にするとピクセルパーフェクトではなくなるため、ドットのきれいな並びを気にする方は気になりそうです。私は……正直、遊んでるうちに全く気にならなくなります。些細な問題でした。大画面のうれしさの方が大きかったです。
また地味に嬉しかったのが、ちょい倍速モード(1.1~1.2倍速?)。RPGのレベル上げや移動がサクサク進むので、これは実機にはないナイスなプラス要素でした。
ただ、手放しで喜べるかというと……これまた微妙な罠があります。
最大の難点は、GBとGBCの「Core(動作モード)」を手動で切り替える必要があること(※私のファームウェア1.10(?)環境下)。GBモードのままGBCソフトを起動するとグラフィックがバグったりするので、この「ひと手間」が地味に面倒くさい。
そして、個人的にどうしても許せない致命傷が一つ。 起動時のタイトルロゴが、絶望的にダサいこと。
これだけは本当に擁護できません。権利関係で「Nintendo」ロゴが使えないのは百も承知ですが、それにしてもこのフォント、あまりにもセンスが無くないですか? 悲しいかな、ハードの出来は良いのに、このロゴを見ると少し萎えるという理由だけで、私はGBC実機に戻ってしまいました。デザインって大事。
評価結果一覧
てなわけで以上の内容をまとめて一覧表にしてみました。
表内の記号を定義すると以下のような形です。
- 「◎」・・・+2点 めっちゃ良い 文句なしでサイコー!!
- 「〇」・・・+1点 まぁ普通にいいよね。普通にあり。
- 「△」・・・+0点 まぁまぁ、我慢できる。
- 「×」・・・‐1点 さすがにしんどい。使いにくい。
記号の横に「+」や「-」がついているのは、さらに0.5点の加点もしくは減点としています。
得点一覧表
| GB/GBP | GBC | GBA/SP | Analogue Pocket | Chromatic | FPGBC | |
| 入手性 | ◎ | ◎ | ◎ | △- | △ | 〇 |
| 購入金額 | ◎ | ◎ | 〇 | △ | △ | ◎ |
| 快適プレイ | △ | 〇 | △ | ◎+ | ◎ | 〇- |
| カスタム 難易度 | △ | △ | △- | ◎ | ◎ | 〇 |
| 本体重量 | △/◎ | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 | ◎ |
| バッテリー容量 | △- | △- | △-/△ | ◎ | ◎+ | 〇 |
| 画面サイズ | 〇 | 〇 | × | ◎+ | 〇 | ◎ |
| デザイン | ◎ | ◎ | × | ◎ | 〇+ | △+ |
| 合計点 | 6.5/8.5 | 9.5 | 2.0/3.0 | 12.0 | 10.0(仮) | 10.0 |
【総評】
もちろん、これはあくまで私の独断と偏見による採点です。「異論は認めるが、聞く気はない!」くらいの勢いで、あえて順位をつけさせていただきました。
実機について個人的にはGBCが最適解です。バッテリー欄は公平を期すために「乾電池」基準で△としていますが、リチウムバッテリー化すれば特に問題はありません。 GBAに関しては……察してください。 彼はGBAソフトを遊ぶために生まれてきたエリートなんです。GBソフトを挿してはみ出させて遊ぶ子じゃないんです。そっとしておいてあげてください。
対してFPGA勢ですが、Analogue Pocketが最強でした。 はいはい知ってた知ってた。 Chromaticに関しては、まだ所持していないので(猛烈に欲しい)、想像上のスペックで採点しています。少しポップすぎるのでデザイン面はアナポケには劣るかなぁという感想。どちらも入手性と価格のハードルが高すぎるため、そこだけが唯一の弱点ですね。
FPGBCに関しては、本当にロゴデザインさえよければなぁ・・・という感じ。アプデでかっこよくしてほしいです。ただ、実機と違って中古のGBCの素体を購入する必要がないのに加えて、カスタム自体も本当に簡単なので、Analogue Pocket再販が待てないって人でお金に余裕があれば、普通にオススメできるかと思っています。
まとめ
書き始めた当初から「カスタムに興味がないなら、Analogue Pocketでええやん」という結論になる予感はしていましたが……書き終えてみて、本当にその通りの記事になりました。
とはいえ、実機のGBCには代えがたい魅力があります。不思議なことに、PCやキーボードがゴリゴリに七色に光るのは苦手なのに、自分でカスタムしたゲーム機が光っているとテンションが上がってしまうんですよね。手間暇かけた分、愛着もひとしおです。
ちなみに少し今回の話からは脱線しますが、個人的にすごく気になっているのが「Game Boy Frogg」というModです。通常のGBCと比べてどう違うのか、時間ができたらぜひ検証してみたいModのひとつです。
レトロゲームハードの価格高騰が続く中、FPGBCのような手軽でカスタム性のある互換機が登場したことは、本当に救いだと思います。「絶対に任天堂製の実機じゃなきゃヤダ!」というこだわりがないなら、現時点ではFPGBCが最もコスパの良い選択肢かもしれません。
あと最後に一つだけ。 「Chromatic」は私が買うまで、皆さんは買わないでください。 在庫がなくなると私が泣きます。ご協力よろしくお願いします。



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